- 胃腸炎になったら?
- 胃腸炎って学校に行っていいの?
- 効果的な予防方法は?
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★✩★✩目次✩★✩★
胃腸炎ってなに?
胃腸炎とは読んで字の如くで胃や腸の炎症のことをいいます。
胃の炎症というとイメージがわきにくい方が多いと思いますが胃や腸に炎症が生じ、下痢や嘔吐、腹痛などの消化器症状が引き起こされる病気のことです。

胃腸炎の種類
胃腸炎は大きく分けて2種類あります。
- 感染性胃腸炎
- 非感染性胃腸炎
非感染性胃腸炎
非感染性胃腸炎の原因としては、アレルギーによるものや食習慣の異常、薬剤性、寄生虫などが挙げられ、一般的には感染性胃腸炎よりも症状は軽度であることが多いです。
アレルギー性胃腸炎
特定の食物がアレルギーの原因物質(アレルゲン)となって、胃や腸内で過敏症状をしめす病気で、やはり特定原材料によるアレルギーが多いです。
乳・卵・小麦・そば・落花生・えび・かに

食習慣の異常による胃腸炎
食習慣の異常とは刺激物やアルコール、冷たい食べ物の摂りすぎにより起きる胃腸機能障害のことで胃のムカつき、不快感、痛み、吐き気が一般的です。
アルコール、コーヒー、香辛料、冷たい物や熱い物etc
ほとんどのケースが市販の胃薬を2〜3日服用することで改善しますが多くの方が特に気にしないで放置するケースが多いです。これが頻繁に発生すると慢性胃炎になる可能性もあるので注意が必要です。

薬剤性腸炎
代表的な物でいうとアスピリンや抗生物質、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド剤、消炎鎮痛剤(非ステロイドせ)などにより胃・腸管粘膜が荒れる症状の事です。
症状としては吐き気は基本的にはなく下痢や腹痛が一般的です。
対処としては原因の可能性がある薬剤の使用を中止することが最も重要。
感染性胃腸炎
感染性胃腸炎の原因は細菌やウイルスに感染することで胃や腸管に炎症が生じます。またどちらも食品を介しての感染の場合、食中毒と呼ぶ事もあります。
感染性胃腸炎(胃腸炎)いうと危険なイメージを持っている人は少ないと思いますが医療資源の整っていない発展途上国では、感染性胃腸炎は今もなお、命を落とすこともある病気とされています。

細菌性胃腸炎
細菌性胃腸炎の原因菌には病原性大腸菌、腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオなどが挙げられます。
これらの原因菌は、感染者の便を介して他者に経口感染(糞口感染)や接触感染することがありますが、なかには原因菌に汚染された食品を介して感染することもあります。
食品を介しての感染を食中毒と呼びますが、鶏肉での感染が多いカンピロバクターは非常に患者数が多い食中毒原因菌として知られています。
また、黄色ブドウ球菌などのように細菌が産生した毒素が胃腸炎の原因となるものもあり、これらの細菌の多くは毒素が付着した食品を介して胃腸炎を引き起こします。

細菌性胃腸炎の症状
症状は胃腸炎の代名詞でもある腹痛や下痢、嘔吐などの消化器症状を生じます。
胃腸炎のイメージの中にある嘔吐ですが細菌性の場合、嘔吐よりも下痢症状のほうが強く、血便となることも少なくありません。また発熱が生じやすいのも特徴です。
ウイルス性胃腸炎
ウイルス性胃腸炎の原因としては、ロタウイルス、ノロウイルス、サポウイルス、アデノウイルスなどが挙げられます。
ロタウイルスやアデノウイルスは乳幼児から小児にかけての発症者が多く、ノロウイルスは秋から冬にかけて乳幼児から高齢者までに広く流行する原因ウイルスです。これらのウイルスは細菌と同様に、糞口感染や接触感染によって感染することもありますが、食中毒による感染も多々あります。特にノロウイルスによる食中毒は、全食中毒の中で最も患者数が多く、一年を通して食中毒の原因となり得ます。
ウイルス性胃腸炎の症状
症状は、細菌性胃腸炎と同様に腹痛や下痢、嘔吐などの消化器症状を生じます。
ウイルス性の場合、ロタウイルスやノロウイルスでは軽度~中等度の発熱が生じ、下痢よりも嘔吐症状の方が強い傾向にあります。また、下痢が血便になることはほとんどありません。

胃腸炎になったらどうしたらいいの?
基本的に胃腸炎には特効薬はありません。細菌性では原因菌に適した抗生剤が使用されることもありますが、基本的には、頻回の下痢や嘔吐による脱水に注意しながら自然に症状がよくなるのを待ちます。
下痢や嘔吐というのは体外に菌を排出しようとして起こる体の反応のため無理に止めてしまう行為は菌を体内に留めてしまうため、どうしてものとき以外へ出来る限り避けましょう。
また小児や高齢者は脱水になりやすいため、十分な水分が摂れない場合には点滴による脱水状態の改善が行われます。
胃腸炎って学校には行っていいの??
感染の恐れがある病気には学校保健安全法により出席停止期間が明確に定められています。
学校保健安全法では第1種、第2種、第3種、その他の感染症に分類に分けられています。
分類 | 病名 | 停止期間 |
第1種 | エボラ出血熱
クリミア・コンゴ出血熱 etc |
治癒するまで |
第2種 | インフルエンザ | 発症後5日かつ解熱後2日が経過 |
風疹 | 発疹が消失するまで | |
水疱瘡 | 全ての発疹がかさぶた化するまで | |
第3種 |
細菌性赤痢 | 症状により学校医、その他の医師が感染の恐れがないと認めるまで |
コレラ | ||
腸チフス | ||
流行性角結膜炎 | ||
その他 |
感染性胃腸炎 | 下痢•嘔吐症状が軽快し全身状態が改善されれば登校可能 |
溶連菌感染症 | 適正な抗菌剤治療開始後24時間を経て全身状態が良ければ登校可能 | |
ウイルス性肝炎 | A型•E型⇨肝機能正常化後登校可能
B型•C型⇨出席停止不要 |
|
手足口病
ヘルパンギーナ |
発熱や咽頭、口腔の水疱•潰瘍を伴う急性期は出席停止、治癒期は全身状態が改善すれば登校可能 | |
アタマジラミ | 出席可能(タオル、櫛、ブラシの共用は避ける) |
その他に分類する感染症の場合は症状が落ち着いてきたら出席させる事が可能です。
今回のテーマでもある感染性胃腸炎もその他に分類されているため、規定日数出席ができないわけではありません。
しかし判断を誤って出席させてしまうと学校で感染拡大のきっかけを作ってしまったり自分自身の体調が悪化してしまい合併症を引き起こしたり、重症化してしまう恐れがあるので出来る限り完治するまで休ませる事が重要になります。
また出席させる際は必ずマスクを着用し、周りへの感染予防はもちろん弱っている体にさらなる菌の感染を防ぐように心掛けましょう。

効果的な予防方法
基本的には手洗いうがいの徹底はしたほうがいいわよ!
アルコール消毒
細菌性でもウイルス性でも、もっとも重要な予防方法は手洗いや消毒の励行です。
ただし、一部のウイルスはアルコールに強い抵抗性を持つものもいるためアルコール除菌液などだけに頼らず、流水でしっかりと手洗いをすることが大切です。
塩素消毒方法
拭きとったり付け置き消毒を行ったりする場合であれば、塩素系漂白剤を250倍に希釈して(500ミリリットルのペットボトルに、キャップ2分の1杯分の塩素系漂白剤を入れる)使用するのがよいでしょう。
また市販でも購入でき薄めずにすぐに使える商品もたくさんあります。
内服薬ワクチン
ロタウイルスに対しては、小児では内服薬のワクチンがあり、2回接種もしくは3回接種が行われています。
ただし費用が自己負担であること、ワクチン接種の期間に制限があることもあり、すべての子どもに対して行われるわけではありません。
日本ではワクチン接種を受けるかどうかは保護者の方々の考え方と、経済的な観点からの判断に任せられています。


Yume’sまとめ
- 予防には手洗い、うがい、マスク、アルコール除菌が効果的
- 塩素系消毒がおすすめ
- 感染したら菌を体外に出すのが最優先
- 下痢止めなどは極力避ける
- 整腸剤などの服用はおすすめ
- 最優先は水分補給
- 学校に出席は可能だがしっかり回復してから
感染性胃腸炎はその名の通り感染力がとても強い病気です。また、ただの胃腸炎だと思っていると周りに感染被害が拡大してしまったり、重症化や脱水症状などの合併症を引き起こす事もある怖い病気です。
感染後はしっかりとした水分補給を行い1日も早く治るようにしましょう!
